ゼロからの初心者が挑んだプロマンガ家への道
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ゼロからの初心者が挑んだプロマンガ家への道

作家・岸田奈美さんの著作『もうあかんわ日記』に付されるしおりのイラストなどを手がけるのが、マンガ専科第4期の受講生だったアヤさん。修了前から創作者として活躍を始めたのですが、じつは受講前にはマンガを描いた経験など一切なかったといいます。マンガ専科に入っていた半年間で、はたして何を得て、どう吸収していったのか。ご本人にお聞きしました。

--コルクラボマンガ専科を受けようということになった経緯は、どんなところから?

 すべてのきっかけになったのは、ミュージシャンのけんいちさんです。
 私はもともと、けんいちこと北川賢一さんの大ファン。バンド「ロードオブメジャー」としてメジャーデビューする以前から好きだったくらいなので筋金入りです(笑)。
 バンドが2007年に解散して「追っかけ」ができなくなり哀しんでいたら、しばらくしてソロ活動を始めたという報せが。しかも気づけばコルクに所属することになっていて、うれしさがさらに増しました。
 というのも私は『宇宙兄弟』も好きで、コルクのストアを通してグッズの購入などもしていたから。けんいちさんがコルクに所属したというのは、「あっ、私の好きなもの同士がコラボしてる!」という感覚でした。いまもけんいちさんと『宇宙兄弟』、どちらのファンクラブにも入っています。
 マンガ専科の存在を知ったのも、コルクの活動をいろんな方面からフォローしていたから。具体的には、コルク代表の佐渡島さんのSNSで告知を見ました。佐渡島さんは昨年「5分の習慣」と題して、毎日絵の練習をしてその様子をTwitterにアップしていくことを続けていました。私も絵を描くのは好きで上達したいと思っていたので、勝手に便乗していっしょに「5分の習慣」をしていたんです。


 1年を終えるころ佐渡島さんが、マンガ専科というのをやっているんだよというツイートをあげていました。当時はすでにコロナ禍の世の中となっていて、まだ自粛生活も続きそうな様子。できる範囲で私も新しいことにチャレンジしたいなという気分が高まっていたので、この機に前から好きだったマンガにチャレンジしてみよう! と決意しました。


 --では参加を決めた時点で、マンガ家になろうという気持ちがあったわけではない?

 ないですないです。絵の仕事ができたらな、というような漠然とした憧れは昔からありましたけど、じつはマンガを描いてみたことすらなくて。趣味としてマンガを描いてみるのはいいチャレンジになりそうだ、飛び込んじゃおうという勢いだけで、マンガ専科に応募したまでです。
 いざ開講して最初の授業に参加してみたら、マンガ家になるんだ! と本気でギラギラした人たちがたくさんいて、正直ビビりました(笑)。いえマンガ専科なんだから、そういう人たちが中心なのは当然なんですけどね。
 周りの熱量はすごいうえに、私はマンガを描くために皆が使うアプリもさわったことなくて使い方すらよくわからない状態。さっそく出遅れてしまったんですけど、佐渡島さんが「まずは質より量。1日1枚、マンガをSNSにアップしよう」と呼びかけていて、私はその言葉に丸ごと乗っかることにしました。
 1日1枚、これだけはなんとしても続けると決めて始めてみたら、これがほんとにたいへんで。アプリの使い方にはぜんぜん慣れないし、そのうちネタ切れで何を描いたらいいかわからなくなってくる。でもこれだけは続けるぞと決めていたので、意地でも毎日アップしていました。

--とはいえたしかアヤさんは、フルタイムで仕事をなさっているとお聞きしましたが……。

 はい、早朝から夜間まで仕事をしているので、日中はまったく時間がありません。仕事から帰ってなんとか落ち着くのが21時ごろ、そこから毎日描いてました。描き終えればそれで寝られるし、描き終わらなければいつまでも眠りにつけず、ときには0時を過ぎたりしました。朝は5時半起きなので、相当キツかったですよ。
 なぜそこまでして1日1枚を続けたのか、ですか? 私は根が三日坊主だとよくよく自覚しているので、いったん止まったらおしまいだという恐怖が強かった。続けていると、見てくれた人からたまにコメントをもらえたり、佐渡島さんも定期的にフィードバックをしてくれたのですごく励みになりました
 1日1枚をやっていると、生活全般に影響が及びますね。日中もネタを思いついたら記憶しておいて、仕事の休憩時間にあわててスマホにメモを残したりしてました。いよいよ描くことがなくなってくると、自分のことをもっとさらけ出すしかない! という気持ちになって、恥ずかしさみたいなものも消えていきました。絵柄も最初はごく簡単なものだったんですけど、だんだんマンガらしく描き込めるようになったりと、ちょっとずつ自分が変化していけるのもうれしかったです。

--そうして着実に力を伸ばしていったところ、作家・岸田奈美さんの作品にイラストをつける仕事が舞い込んだり、Twitter上で展開された「仕事探しはスタンバイ」マンガ大賞を受賞したりと、「結果」がついてきたのですね。

 ありがたいことです。もともと岸田奈美さんのnoteが大好きで、勝手ながらイラストをつけたりしていたんです。続けていたら岸田さんの目に留まって、書籍に付くしおりで絵を使ってもらえることに。その後もブログのヘッダーのイラストを描かせていただいたりと、自分でもびっくりの展開になりました。


 「仕事探しはスタンバイ」マンガ大賞も、マンガ専科では投稿が推奨されていたので取り組んだところ、グランプリをはじめいくつか賞をいただけました。受講して3~4か月経ったころから、こうした結果がついてくるようになって、やっぱり描かないと伝わらないんだな、そうして描いたらちゃんと誰かの目に留まるんだと実感できました。

--描くことをコツコツ続けた成果が、きっちり出たわけですね。ではマンガ専科の講義内容はどうだったでしょう? じゅうぶん役立つものだったかどうか。

 すべては授業のおかげだと思っています、とくに私にとっては。マンガを描いたこともなくて何も知らない立場からすれば、やり方はすべて授業から学ぶしかなかったわけです。そうかこうすればいいのか! といちいち感心しながら、すべて素直に吸収していきました。
 続々と課題が出されますけど、提出すれば必ずフィードバックが戻ってくるので、これを活用しない手はないですね。そうやって半年間で基礎をみっちり学べたのはありがたいことです。何も知らなかった私の中に、マンガを描く「型」が生まれましたから。

--半年間ですっかり描く人になったわけですが、今後描きたいのはどんな作品?

 それがまだ明確になっていないのが目下の悩みなんです。ようやくスタートラインに立てただけだということは自覚しているので、立ち止まっている場合でもないんですが。まだうまく言葉にならないんですけど、自分のなかにある何かを昇華できるような作品を描けたらいいなと思って、いまは自分の心が震える瞬間を見極め吸収し続けている感じです。
 マンガというアウトプットの手段を得てからは、自分や周りのことに対する眺め方が変わった気がして、ああ生きてるっておもしろいなと実感するようになっています。それだけでも自分にとってはすごく大きい変化だし、うれしいことです。
 第5期のマンガ専科も募集が始まるんですね。私みたいに何も描いたことのなかった人でも得るものは巨大でしたから、描いてみたいなという気持ちさえあるなら、迷わずやってみることを心からおすすめしますよ。きっと自分のなかで何かが変わるだろうことは、私が身をもって体験済みです。


★☆☆コルクラボマンガ専科第5期 募集受付中です!
【募集期間:〜9/13(月)正午12時まで!】

アヤさん
【SNS】
Twitter   :https://twitter.com/end___roll
note     :https://note.com/aynote
取材・執筆:山内宏泰
Twitter:https://twitter.com/reading_photo   
note:https://www.yamauchihiroyasu.jp/
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