「読者に”伝わる”マンガを!」専科で変わった創作への意識
コルクラボマンガ専科を受講中、課題として描いたマンガ「今日も死ねませんでした」がTwitterで大好評だったあまいろさん。10月25日に発売された電子書籍はねとらぼ人気マンガランキング1位になりました。新連載「キヨシコノハル」も始まり大活躍中のあまいろさんに、創作への想いやマンガ専科を受講した感想について、コルクラボの秋月千津子がインタビューを行いました!
――あまいろさんがマンガ専科を受講するっていうのはちょっと意外だったんです。以前からご自分でSNSにマンガを上げられていて、話題にもなっていたので、あえてこういう講座に通う必要は感じていないのかな?と思っていたんですが。
いや、でも「すべてを肯定してくれる彼氏」がバズったのは今年になってからで……2月ぐらいだったかな。それまでは、そんなにいいねの数はなかったんですよ。なので、ちゃんとマンガの勉強をしたいなと思っていて。以前から興味はあったんですが、仕事で残業があったりするので諦めていたんです。でも、色々あって会社を辞めることになって。しかも今期は完全オンラインで授業をするってことで、これならできそうだと思って参加することにしました。
――実際に受けてみて、オンラインで良かったと感じましたか?
はい。人と会って話すのはちょっと苦手なんで。それに、わざわざ渋谷まで行くのも大変なので、これはありがたいなと思ってました。
――マンガ専科では「毎日1ページマンガを投稿しよう」という課題がありますが、あまいろさんは元々「すべてを肯定してくれる彼氏」をハイペースに更新していましたよね。そんなのいつものことだよっていう感じがあったんじゃないですか?
マンガ専科のことは以前からTwitterで見ていたので、毎日何か描くっていう課題が出るのは知っていたんです。さすがに毎日はしんどいなとは思っていました。でも、お金を払って受けるからには、課題は全てこなそう、そう決めて、覚悟して行きました。絶対毎日描くと。
――結局、一日も欠かさなかったですよね?
はい。意地もありましたけどね。これは想像ですけど、佐渡島さんは「続くわけがない」と思ってるだろうと思って。だからもう絶対私はやり遂げてやろうと思いました(笑)
(▼)180日間完走された後のnote
――1日1ページのマンガを出すために、新作「今日も死ねませんでした」を描かれていたのも驚きました。てっきり「すべてを肯定してくれる彼氏」を出すことで課題達成すると思っていたので。
新しいキャラでいこうとは思ってました。結構飽きっぽいんで、同じキャラばっかり描くのもしんどいんです。
――マンガ専科を受講して、特に印象に残っている講義はありますか?
印象に残ってるのは、「イラスト力アップ」の講義ですね。特別講師の方が「自分の好きな神絵師を目指して描きなさい。まずそれを超えるのが最初の一歩だ」というようなことをおっしゃっていて。それまで、正直絵からは逃げてました。描き始めたのも遅かったし、もうこれ以上はうまくならないなと思って画力は諦めていたんですけど、その言葉を聞いて、それは言い訳だったなと。ちゃんと絵と向き合わなきゃいけないなと思いました。その話を聞いてからは、絵を描くのは以前より丁寧になりましたね。
――今後の活動に、マンガ専科の講義は活かされそうですか?
マンガ専科を受講する前は、自分のマンガはわかる人にだけわかればいいと思っていたんです。私のマンガがわからないっていう人は、私のセンスについてこれてないからだと思って切り捨てていたんですけど、マンガ専科を受けて、ああそれじゃダメなんだなと。「みんなにわかるように描く」っていうのは意識しています。
――大事なことですよね。マンガ専科の講義のどの辺りでそう感じたんですか?
どこだろう……山田ズーニーさんの講義かな。対面で自分の感情を伝える、ちゃんと「わかるように」伝えるっていう講義があって(表現実習2「相手に響くように伝える」)。ああマンガでもこういうことをしていかなきゃいけないのかなと思いました。
――今後チャレンジしたいことはありますか?
そうですね、ちゃんとした、まとまったストーリーマンガを描いてみたいなっていうのはありますね。
――マンガ専科をこれから検討している人がいたら勧めますか?正直な意見を是非!
受講するだけでマンガを描けるようになるわけではないというのは、はっきり言っておきたいです。マンガを描くってすごく大変だし、時間もとられるので。その時間を確保するためには、何かを犠牲にしなきゃいけないんですよね。テレビを見る時間だったり、友達と遊びに行く時間だったり。だからもし本当に受講を考えてるんだったら、覚悟を決めた方がいいと思いますね。
――あまいろさんは、その覚悟を決めていたんですね。
そうですね、仕事を辞めた時に。もう残りの時間はマンガに使おうと決めました。自分自身も受講中、アウトプット量は意識していました。
――覚悟を持って臨めば、それに応えてくれる講義ではあったと思いますか?
そうですね。そのヒントはくれると思います。結局本人次第だと思うので、マンガ専科はきっかけぐらいに考えてた方がいいんじゃないかなと思うんですけど。とにかくもう駄作を量産して、その中で一つでもいいものが出ればいいかなという考え方で描いてます。
手塚治虫がそうだったんですよ。彼は「天才」とか言われてるけど、とにかく駄作の量がすごいんです。読んでみたらわかると思うんですけどつまらない作品もいっぱいあって。その駄作の中から火の鳥やブラックジャックが生まれている。だからやっぱり、たくさん描かなきゃだめだなと思っています。
(▼)あまいろさんのマンガ専科振り返りnoteも読んでみてください!
ーーあまいろさん、ありがとうございました。今後の作品も楽しみにしています!
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【募集期間:~12/14(月)23:59まで!】
<<インタビュー・編集:コルクラボ 秋月千津子>>